マーダーミステリー(マダミス)を起点とした体験型エンターテインメント事業を展開する株式会社Sallyが、JFR MIRAI CREATORS Fund、千葉道場ファンド、三菱UFJキャピタルを引受先とするシリーズAラウンドの資金調達を実施しました。調達資金は、マダミス通話アプリ「UZU(ウズ)」のプロダクト強化、リアル世界での体験型イベント展開、海外市場進出に充当される予定です。
マダミス市場の急速な立ち上がり
日本ではZ世代を中心に、マーダーミステリーが新しい体験型エンターテインメントとして急速に普及しています。SNSでの話題化と実店舗での盛り上がりに連動して、商業施設・観光地・公共空間とのコラボレーション企画が相次ぎ、市場全体が拡大局面を迎えています。
Sallyは2020年のオンラインマダミス体験をきっかけに事業を立ち上げ、6年目を迎える現在、池袋パルコや東京メトロといった大型商業施設とのコラボ企画がチケット即完売になるほどの知名度を確保しています。
オンライン・リアル・IP統合による事業展開
Sallyの事業は、オンライン基盤、リアル運営、IP共創の3つの柱で構成されています。
(1)オンライン基盤の拡大
マダミス通話アプリ「UZU」は、2026年5月時点で1,900作品以上を収録し、毎月112作のペースで増え続けています。登録クリエイター・作家数は4,800名以上、累計プレイ数は250万プレイ以上に達しており、業界最大級の作家・プレイヤーエコシステムを形成しています。
(2)リアル世界での体験型イベント展開
2025年以降、Sallyは商業施設・観光地・アミューズメント施設・公共交通機関など多様な事業者と共同で、街を舞台とするオリジナル体験型イベントを展開しています。
2025年実績・計画:
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2025年4月〜5月:「盗薬次楽」@ 池袋パルコ
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2025年3月・12月:「道饗に轟く」@ 福井県・熊川宿
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2025年6月:「呪景」@ GiGO
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2025年10月〜11月:「落掌」@ 東急プラザ渋谷
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2025年11月〜12月:「密行喩送」@ 池袋パルコ
2026年計画:
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2026年1月〜2月:「恣験」@ カラオケ館
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2026年3月〜5月:「逃窓」@ 東京メトロ
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2026年4月〜5月:「淵泊渚」@ 三菱地所
これらの企画を通じ、Sallyは業種を超えた多様なパートナーとの共創により、リアル世界の体験型エンターテインメントの実績を積み重ねています。
(3)大手出版・メディア企業とのIP共創
「UZU」プラットフォーム上では、大手出版社・メディア企業とのIP共創作品のリリースが相次いでいます。
株式会社小学館との共創(2025年10月〜11月):
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「マンガワン」連載作のマダミス化を含む3作品をリリース
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「探偵シド・アップダイク KOBUSHI CLUB」
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「旧校舎肝試し殺人事件」
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「裏バイト:逃亡禁止 たつ子の謎」
株式会社SANKYO発のマダミス作品(2025年10月):
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講談社・MBS・アニプレックスの有志と作家による制作集団「チーム『本館三階一号』」が手がけるオリジナルマダミス「ワンフォーオール・オールフォーマーダー」をリリース
マダミスは、出版・放送・アニメ・遊技機など主要なメディア業界が共通して挑戦する新領域となりつつあり、「UZU」はその共創ハブとしての役割を担い始めています。
(4)海外展開
Sallyは2025年に韓国支店を設立し、韓国版「UZU」をリリース。日本発のマダミスプラットフォームのアジア展開を本格的に開始しました。
(5)常設直営劇場の展開
ウズプロダクションが運営する常設マダミス劇場として、2025年5月に「UZU TOKYO」(東京都渋谷区)、2026年4月に「マダミスシアター MyMy」(東京都港区三田)を相次いでオープンし、自社直営の常設劇場2店舗体制を確立しました。
資金調達の背景と出資者のコメント
JFR MIRAI CREATORS Fund
イグニション・ポイント ベンチャーパートナーズと大丸松坂屋百貨店・パルコを傘下に持つJ.フロント リテイリング株式会社が共同運営するCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)ファンドです。
J.フロント リテイリング 執行役 徳田和嘉子氏は、Sallyの事業が「次世代のお客様との新たな接点を生み出すとともに、物語性のある体験を起点に、大丸・松坂屋やパルコといった当社グループの商業施設を活用したエリア回遊を促進できる高い可能性を有している」とコメントしています。
千葉道場ファンド
起業家コミュニティ「千葉道場」を母体とするVCファンドです。ジェネラルパートナーの石井貴基氏は、「AI前提社会が到来している昨今、リアルならではの体験や、人とのコミュニケーションの価値が相対的に高まっている」として、Sallyの事業が「時代の潮流に合致している」と述べています。
三菱UFJキャピタル
前回出資に続くフォローオン(追加出資)です。同社次長の小西健人氏は、「マダミスオンラインプラットフォーム『UZU』を核に、リアルの体験型コンテンツまで一貫して展開し、ユーザーへ最高の体験価値を届けている」と高く評価し、事業拡大と価値創出を継続的に支援することを表明しています。
代表 平石英太郎のビジョン
Sallyの代表取締役社長CEO・平石英太郎氏は、調達時のコメントで、AIがあらゆる体験を効率化していく時代だからこそ、「人と人が集まって物語に没入する時間の価値はむしろ高まる」という信念を述べています。
また、その価値を広げるには「アプリだけでも、劇場だけでも足りない」として、オンライン基盤、リアル運営、IP共創、海外展開を統合する戦略の必要性を強調。マダミスを起点に「生きるエンタメ」をマンガ・アニメと並ぶ表現媒体にしていく目標を掲げています。
業界へのインパクト
Sallyの事業成長は、エンターテインメント業界全体に複数の波及効果をもたらす可能性があります。
コンテンツ産業の構造変化:従来の「読む」「見る」から「体験する」へのシフトが加速し、メディア企業のIP活用戦略が多元化します。
商業施設の機能拡張:百貨店や商業施設の集客・回遊促進手段として、体験型コンテンツの重要性が高まります。
次世代エンタメの標準化:Z世代を中心とした新世代消費者のニーズに対応した、オンライン・オフライン融合型のプラットフォーム構築が業界の競争軸になる可能性があります。
今後の展開と採用情報
Sallyは、今回の調達資金を以下の領域に活用する計画です。
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「UZU」アプリ・プラットフォームの機能強化およびUX向上
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百貨店・商業施設・公共交通機関・IPホルダー等との共創による体験型コンテンツ開発
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クリエイター支援機能の充実(作家専用ツール・分析機能等)
同社では事業展開の加速に向け、各ポジションで積極採用を実施中です。特に以下のポジションを強化しています。
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ウズプロダクション プロデューサー:商業施設・観光地・公共空間・IPホルダー等と組んだ大型体験型イベントの企画・プロデュース
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UZU プロダクトマネージャー(PdM):マダミス通話アプリ「UZU」のプロダクト戦略・グロース
詳細は採用サイト(https://recruit.sally-inc.jp/)を参照してください。
まとめ
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マーダーミステリーが新しい体験型エンターテインメントとして急速に市場化し、Z世代を中心に普及が加速している
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Sallyは、オンライン・リアル・IP共創を統合した事業モデルで、マダミス市場のリーディングカンパニーとしての地位を確立しつつある
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大手商業施設、出版・メディア企業、自治体、公共交通機関との連携により、マダミスは複数のメディア業界が共通して挑戦する領域へと拡大している
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AI時代だからこそリアル体験の価値が高まるという仮説のもと、次世代エンターテインメントの標準化を目指す事業戦略が、複数の有力VC・CVC から支持を獲得した
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今後、韓国を皮切りにアジア展開を本格化させ、IPO(新規株式公開)を視野に入れた成長フェーズへ進む予定